読書

【読書】『ノモレ』 国分 拓 著

  少し前に発売した本であるが、『ノモレ』という本を読んだ。タイトルの意味は、アマゾンの原住民の言葉で”仲間”である。『NHK スペシャル』特集から誕生した本であり、ノンフィクション本である。南米 アマゾン奥地における先住民と文明社会の関係を伺いしれる良書だった。

1.本の情報

  (1) タイトル: ノモレ

  (2) 作者: 国分 拓

  (3) 出版社: 新潮社

  (4) 価格:1728円

2.概要

 冒頭でも述べた通り、 南米 アマゾン奥地における先住民と文明社会の関係を 知るために本である。21世紀になってから早20年が過ぎているが、現在でも南米アマゾンでは文明社会と関係を持たずに過ごしている先住民が存在している。それら先住民は自給自足の生活をしている。すべては、巨大なアマゾン川と広大なジャングルのおかげである。

 一方で文明社会に溶け込んでいる先住民もいる。(むしろ多くが溶け込んでいると思われる)南米アマゾンの地域では、先住民の権利が認められており、土地などが先住民が所有している場所もある。そのような場所に住む文明社会に溶け込んだ先住民は、先住民の権利保護やインフラ整備を独自の組織を作成して交渉している。

 この本は、この文明社会に溶けこんだ先住民と溶け込んでいない先住民の出会いの話である。同じ先住民と言っても言語が違ったり、もはや文明社会に溶けこんだ先住民では考え方が違っている。特に文明社会に溶けこんでいない先住民は、自分達の以外の民族を警戒しており攻撃してくることもある。特に狩猟民族は、ものをあげても蓄積することがないので手にいれただけ消費してしまい、次もらえないと腹を立てて攻撃してくる何てこともある。このようなギャップの中でノモレ(仲間)であるから友好関係を気づこうとする 文明社会に溶けこんだ先住民 の努力を知ることができる。ちなみの何故ノモレなのかは、100年前の出来事が関係するがこれは本を読んで確かめて欲しい。

3.感想

  この本は、まず文明社会と関わらない先住民の存在に驚く。昔のテレビ番組である川口 弘 探検隊の世界である。そこから言葉はわからないが少しずつノモレと関係を気づく人たちをみて、言葉がわからなくても同じ人間だから理解しあえるのでは?という平和的な期待を抱ける。一方でノモレにより村を襲撃されたり警戒が発表されるなどの負の一面もしっかり書かれている。

  また森の開拓により住む場所を追われている人間もいることが衝撃だった。これがまさに文明社会と関わらない先住民である。最近になり町場に現れだしたのが森の開拓により食料がなくなったからでは?との記載があり、森の開拓が人間の住む場所にも影響を与えて、文明衝突まで起こりかけている現状には驚いた。さらに難しいのが先住民が文明社会馴染むほど、車を使いたい、電気を使いたいで自然破壊がされる現状もあるようだ。

  まとめるとこの本は、違う言語の人同士の理解への希望が可能か?という希望と難しさ、そしてアマゾンジャングルの奥地にまで及んでいる自然破壊を知ることができる良書であると思うので、ぜひいろんな人に読んでほしい。

-読書

Copyright© 本と映画とか , 2025 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.